大都市圏で転職する際のエリア選び~医師数と求人の関係性(東京圏編)

大都市圏で転職する際のエリア選び~医師数と求人の関係性(東京圏編)

大都市圏で転職する際のエリア選び~医師数と求人の関係性(東京圏編)

通勤していると様々な駅で駅前の再開発や高層マンションの建築が進んでいるのが見え、東京の街は今後どのような姿になっていくのだろうといつも考えてしまいます。

現在、住宅バブルなども相まって郊外に家を買うファミリー層が増えているそうで、地域によっては保育園だけでなく小学校や中学校も足りないというところが出ているようです。

確かに南関東は人口が大変多く、東京都に関しては世界的に見ても「人口が過密な地域」として大変著名です。

では東京圏と呼ばれる大都市における求人数はどうだと思いますか?

今回は大都市圏で転職するにあたり、医師数などを鑑みてどのようにエリア選びを行えば良いのか、一つのご提案として東京圏を例に見ていきたいと思います。

東京圏の医師数は過剰?求人は?

肌感覚ではありますが、大都市圏(特に東京都心・横浜駅周辺)は科目によって医師が飽和状態になっており、競争率が激しい状況です。

逆に少し離れた埼玉や千葉では、東京とは真逆で全く足りていないという医療機関も多くございます。

これは大阪、名古屋、福岡といった大都市圏にも言えることなのですが、あくまでも大都市の一部地域のみ過剰となるようで、そこから少し離れた場所では過剰とは言いづらい状況です。

ということで、実際に東京の医師数は過剰なのか、人口10万人あたりの医療機関に勤務する医師数を見てみます。

人口10万人あたりの医療施設の従事者(医師)

都道府県男性女性医療施設に従事する医師数
埼玉県137.640.1177.8
千葉県159.846.0205.8
東京都221.299.7320.9
神奈川県164.558.5223.0
全国198.158.5256.6

引用:令和2(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況 – 厚生労働省

ちなみに4都県の中でも埼玉は全国的にみて一番下の数値となり、東京は逆に上から数えた方がはやい状況です。

埼玉は南関東の中で唯一国公立大学の医学部がないこともあり、地元の優秀な高校生を「地域枠」で優遇する他県にある国公立大に一歩遅れていることも一因ではないかという見方ができます。

つまり、土地柄東京のベッドタウンとなっていて人口も増えているのに、医師が全く足りていない状況なのです。

千葉県は逆に国公立大学の医学部しかなく、2017年に私立大学の医学部がやっと開校したことや、国公立大学の医学生たちが近い東京に派遣されることも一因という見方ができそうです。

また房総半島の所謂外房というエリアは大きな病院が少なく、苦労して千葉市などの病院にかかっている患者も多い現状があります。

では神奈川県では足りているのかというと、こちらも先述の通り「一部地域のみ過剰」という部分が大きく、静岡県寄りになればなるほど医師数は足りているとは言い難いでしょう。

ただし千葉県・埼玉県と異なり、静岡県寄りの地域には私立大学の医学部があることや大学病院・関連病院が複数あることから、医学部の数が少ないとは言えません。

とはいえ、この医師が足りていない状況というのは転職市場としては色々交渉のしやすい風土でもあるといえます。

東京に比べ、勤務日数や収入面などでも、先生の希望条件の交渉にある程度耳を傾けていただける医療機関が多いのも事実です。

逆に言えば、東京では求人票通りの条件で入職可能な医師を求められる傾向が多いため、交渉が難しいケースが多くございます。

ご自身の転職、就職を考える上で自身の働く環境や通勤も大切ですが、「医師として求められる環境で働く」ということも働きやすさを考えると悪くないのではないかと感じます。

都心から1時間以内で通えるエリア

では、例えば都心からドアtoドアで1時間以内で通う場合、どこまで行くことが出来ると思いますか?

ちなみに東京にお住まいの方の場合は電車通勤がメインですので、電車通勤を基準に考えてまいります。

条件

  • 7:30ごろに家を出る
  • 家が弊社住所にあると仮定しての算出(東京都千代田区神田駿河台2-2-1)
  • 最寄り駅:JR御茶ノ水駅(徒歩2分)・新御茶ノ水駅(徒歩1分)・東京メトロ丸ノ内線御茶ノ水駅(徒歩5分)
  • 8:20前後までに医療機関の最寄り駅に着く
  • 駅から医療機関まで徒歩10分前後の想定

※ なお、備考には鉄道好きの弊社社員によるざっくりとした電車案内と目的駅の到着時刻を掲載していますが、こちらは8月5日時点の平日のダイヤ編成での情報となります

1時間以内に行くという意味では、8:30までに医療機関へ到着できると良いですよね。

ざっくり見積もっても最寄り駅から徒歩10分圏内という医療機関が多いため、概ね許容できる総電車移動時間は50分までとなり、8:20頃には駅に到着していたいところです。

今回は、千葉県・埼玉県の主要駅やファミリー層に人気がある駅からいくつかピックアップして算出してみました。

埼玉県編

駅名総電車移動時間備考
大宮駅45分程度JR中央線快速に乗車後、東京駅でJR宇都宮線(快速ラビット)に乗り換え
浦和駅35分程度JR中央・総武線に乗車後、秋葉原駅でJR山手線に乗り換え、再度上野駅でJR高崎線で乗り換え
川口駅35分程度JR中央線快速に乗車後、神田駅でJR京浜東北線に乗り換え
八潮駅35分程度JR中央・総武線に乗車後、秋葉原駅でつくばエクスプレスに乗り換え

千葉県編

駅名総電車移動時間備考
流山おおたかの森駅45分程度JR中央・総武線に乗車後、秋葉原駅でつくばエクスプレスに乗り換えて
新浦安駅45分程度JR中央線快速に乗車後、東京駅でJR京葉線に乗り換え
西船橋駅30分程度JR中央・総武線に乗車(乗り換えなし)
本八幡駅25分程度JR中央・総武線に乗車(乗り換えなし)

意外と難しそう…と思われた方もいらっしゃるかと思いますが、一方で実はそこまで遠くないかも…と思われた方もいらっしゃることでしょう。

概ね場合、ラッシュ時間の出勤でも通勤ラッシュとは逆方面に向かうことになるため、快適な通勤になるケースが多いことも特長です。

もちろん、先生方がお住まいの地域によっては、千葉県や埼玉県よりも神奈川県や静岡県の方が行きやすいという方もいらっしゃいます。

とはいえ都心からでも、上記のようなファミリー層にも人気があり新興住宅街も多いエリアには、ドアtoドアで60分で行ける距離であるのは事実です。

また、新浦安、舞浜、海浜幕張(幕張新都心)、本八幡(市川・八幡)、浦和(さいたま市浦和区)の各駅近くにある住宅街の一部は、高級住宅街として知られています。

さらに先述の通り、若いファミリー層などが東京ではなく郊外に戸建てやマンションを買うことが増えており、ファミリー層は東京の一部地域よりも郊外の方が多いというケースも増えています。

診療科によっては、地域にお住まいの若い世代の患者様の方が多いこともあるかと思いますので、都心より郊外の方がより良い転職先が見つかることもございます。

もし「希望の求人がない」ということにお悩みでしたら、通勤しやすい路線沿いで求人を探してみると、意外なところに良い求人が見つかるかもしれませんよ。

最後に

近年、鉄道網の発達で、路線同士のアクセスがさらに改善されつつあります。

もし現在お探しの地域で転職先が見つからない場合には、求人が出てくるまで待つのも選択肢だと思いますが、少し足を伸ばして色々探していただくこともおすすめします。

しかし一方で、「土地勘もないし、縁もゆかりもないところだからよくわからない」というお声もよくお聞きします。

そういった場合には弊社のような転職支援サービスにご相談してみることもおすすめいたします。

土地勘のない方でも代わりに弊社エージェントが路線などをお聞きしてアクセスの良いところをお探しさせていただきます。

お悩みの方は是非一度ご相談ください。


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