【医師ジョブマガジン】8月の大型連休~人の動きと感染症~

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◇ 医師ジョブマガジン 2023.08.15号 ◇

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新型コロナが5類感染症に移行して初めて迎えたお盆休み。
4年ぶりに「行動制限のない」お盆休みということもあり、今年は人の動きが活発になっていそうですね。

実際どうかというと、国内の某大手携帯キャリアが3連休の8月10日~12日の3日間で国内居住者の越県移動数を計測した結果によれば、確かに人の動きが活発になっていたようです。

感染拡大前の2019年を100%として見た際、2020年・2021年は60%台、2022年が90%台でした。
しかし今年(2023年)は106%と、感染拡大前を上回る結果となりました。

なお、実際のところどの都道府県への移動が多かったのかというと、以下のような結果となりました。
1位 徳島県 165%
2位 秋田県 161%
3位 新潟県 157%
4位 青森県・高知県 154%

移動先として地方が大きく増加する一方、東京都、大阪府、神奈川県、京都府などの都市部への移動は控えられた結果が見られました。

また上位は、コロナ渦で控え傾向にあったイベントの開催地域を中心に、大きく回復がみられる結果となりました。
特に徳島県は8月12日から座席数制限なしの阿波踊りが開催ということで、開催期間が計測期間と被ったことも大きいと言えます。

昨年度までは「近距離移動」に関しては回復していたものの、「遠距離移動」の回復が鈍かった記憶があります。
今年度は帰省ラッシュに合わせて夏休みに遠出をする方が多いということかもしれません。

しかし同時に懸念されているのは、行楽地でのイベントやお盆の帰省で大人数が集まることによるコロナ感染者数の増加です。

実際に東京都内の新型コロナウィルスの感染者数は前の週に比べて増加しており、現在7週連続で増加しているとの報告がもあります。

以前と比べて感染者数の増加スピードが緩やかになっているとは言え、まだまだ油断ができない状況なのは事実。

帰省先では重症化リスクの高い高齢者と会う機会も増えると想像できるため、外来診療を受け持たれている先生方は、引き続き感染増加などへの注意が必要かもしれません。

※このコラムは2023年8月に配信した記事です