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◇ 医師ジョブマガジン 2023.09.19号 ◇
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働き方改革の本格始動までおよそ半年となりましたが、近頃は「宿日直許可」の話が様々な報道機関から報道されています。
概ね内容としては、「宿日直許可が簡単に下りており、許可が下りるべきではない医療機関にまで下りている」という報道が中心です。
確かに「二次救急でそこそこ忙しいところも取得できている」という話も伝え聞いています。
それでは医師の働き方改革としては本末転倒だと言わざるを得ません。
宿日直許可に関しておさらいとなりますが、厚労省では労基法に基づき以下のように説明がなされています。
【宿日直時、常態としてほとんど労働をする必要がない勤務と認められる場合に、行政官庁の許可を受けることにより、労基法32条など(36協定の限度時間)を適用されないことになる。】
宿日直許可の基準については、上記の考えをもとに2019年7月付の基発で以下のように示しています。
(1) 通常の勤務時間の拘束から完全に解放された後のものであること。(回診などの短時間かつ特殊の措置が必要ない業務は可能)
(2) 宿日直中に従事する業務は、一般の宿直業務以外には、特殊の措置を必要としない軽度の又は短時間の業務に限ること。
(3) 宿直の場合は、夜間に十分睡眠がとり得ること。
(4) 上記以外に、一般の宿日直許可の際の条件を満たしていること。
この許可基準を鑑みるに、救急患者対応が勤務1回につき1~2名程度であれば、認められる可能性は高いと言えます。
しかし1回につき3~4台の救急車、5~10名の救急患者対応となるとどうでしょうか。
正直、しっかりと睡眠をとりながらの対応が可能かというと怪しいところです。
一方、大規模な救急告示病院でも、救急対応はなくICU病棟管理が中心の当直も宿日直許可が下りている例が多いです。
※宿日直許可は診療科や部門ごとに得ることが可能なため。
当直勤務については、まず業務内容や業務量をしっかりと確認しておきましょう。
宿日直許可が出ている病院などでバイトをしたいとお考えの場合は、なるべく療養型病院などの救急対応が比較的少ない医療機関での勤務をおすすめします。
とはいえ、療養型病院なども中には様々な対応が多いところもありますので、入職前にトライアル勤務ができると内情などもわかるためおすすめです。
また宿日直許可に関しては過去ブログでも触れていますので、お時間が許すようであればご一読くださいませ。
※このコラムは2023年9月に配信した記事です