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◇ 医師ジョブマガジン 2024.07.23号 ◇
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1ヶ月前(6月28日)の話となりますが、美容医療に関する厚労省検討会が初めて行われました。
今回の検討会では、美容医療の特性を背景に「勧誘・説明・契約」と「診療の実施」の2点に絞って議論が進められ、2024年度内に報告が取りまとめられる予定です。
そもそも、昨今は美容医療へのアクセスが容易になり、若者を中心に幅広い世代の心理的なハードルが下がっていること等から美容医療のニーズが高まっています。
実際、厚労省検討会の資料によれば、美容医療の施術数は2019年の123万回から2022年には373万回へ増加。
特に脱毛、ボツリヌス菌毒素注入(ボトックス注射)などの非外科的手技の施術が増え、全体的な件数が増加したことが特徴として挙げられています。
(なお、外科的手技では眼瞼形成だけが飛びぬけて多い結果となりました。)
一方で、施術件数の増加と比例して、美容医療のトラブルも増加傾向にあります。
消費生活センターなどへ相談された美容医療に対する相談件数は、2019年には約1,860件だったのに対し、2022年には約3,460件、さらに2023年には約5,500件超と急増。
全医療関連のトラブルのうち美容医療への相談が占める割合をみても、2019年が約31%だったのに対し、2022年が約45%、2023年には約58%と急増しているのがわかります。
さらに美容医療のトラブルで増えているのは金銭面だけでなく、生命や身体などを損なうような(危害)トラブルも増えているのが特徴です。
2019年は危害として登録された相談件数が463件、2022年度には663件となり、2023年には796件と800件に迫る勢いとなりました。
特に多かった相談が皮膚障害や熱傷です。
美容点滴での痒み・全身の発疹、ボトックスによる目の腫れ・頭痛、HIFUや脱毛などのレーザーなどの熱傷など、手技は多数にわたりました。
とはいえ、これらのトラブルも全件ではなく、実際には把握されていないトラブルも多岐にわたると推測できます。
検討会中には、そもそも美容医療に対する医師のモラルも問題とする声が美容医療の現場から聞こえました。
また、医行為の範囲を明確にすべきという意見もあり、明確な美容医療のガイドラインの策定で逸脱する美容医療への取り締まりの強化を求める声もありました。
美容医療を専門とする医療機関によっては、受診者が契約するまで強引に引き止めたり、看護師が施術メニューを決めたり、かなり悪徳なところもございます。
またこれは以前よりある問題ですが、エステサロンにおけるHIFUの使用など、医療従事者以外による美容医療の提供もトラブルになっています。
そういったところが目立つと、しっかりと美容医療を提供してきた医療機関までとやかく言われてしまいますので、ガイドラインの策定などはやはり急務だと言えるかもしれません。
なお検討会はまだ続きますので、気になる方などは随時ご確認ください。
(こちらでも引き続き確認していく予定です。)
第1回美容医療の適切な実施に関する検討会-厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41010.html
このコラムは2024年7月に配信した記事です