【医師ジョブマガジン】「オンライン診療」という波の行方

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◇ 医師ジョブマガジン 2022.05.27号 ◇

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2年に1回実施されている「診療報酬改定」、今年度(2022年度)の改定で特に注目したいのが「オンライン診療」です。

4月以降、オンラインでの初診が「解禁」になるなど、オンライン診療の実施ルールが大幅に緩和されました。

言うまでもないですが、「オンライン診療」とはスマートフォンやタブレット端末を利用して、インターネット上で診察が受けられる診療方法です。
厚生労働省によって2018年度の診療報酬改定で新設されました。

初診は対面診療が条件であったことや、医療機関と患者の距離用件、そして対面診療と比較すると低い診療報酬点数の設定であったことから、当時はオンライン診療がなかなか浸透しませんでした。

2020年度の改定でも、オンライン診療を始めるための対面診療期間の短縮、オンライン診療の対象疾患の追加などが実施されたものの、オンライン診療料の届け出をした医療機関の数は伸び悩みました。
一因として、診療報酬の点数の低いままだったため、導入のメリットがなかったことが挙げられています。

伸び悩んでいたオンライン診療の契機になったのは、コロナ禍です。
コロナ禍で、初診からの「オンライン診療」が時限的・特例的に可能となったことは、当時話題になりましたよね。

それを受け、2022年診療報酬改定では、対面診療と組み合わせることを前提に初診からのオンライン診療が可能となりました。

また、課題となっていた診療報酬点数の面でも、点数の引き上げによりオンライン診療の診療報酬は「対面診療時の約87%の点数を算定」と大きく変わらないところまできています。

新型コロナウィルスの流行により、オンラインを活用した日常生活が当たり前となっている、「オンライン・ファースト時代」。

今回の診療報酬改定により、院内感染防止や通院が困難とされる患者様にとってもオンライン診療は従来よりも柔軟な対応ができる診療方法として推進されています。

オンライン診療を導入する医療機関も今後は増えていくかもしれませんね。

※このコラムは2022年5月に配信した記事です