【医師ジョブマガジン】ワーク・エンゲージメントとは

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◇ 医師ジョブマガジン 2023.11.14号 ◇

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ワーク・エンゲージメントという言葉をご存じでしょうか。

簡単に言えば、仕事が充実しポジティブで健康的な心理状態を指します。

詳しく述べると以下の三要素が揃った状態の心理状態と定義されます。
・仕事から活力を得ていきいきとしている(活力)
・仕事に誇りとやりがいを感じている(熱意)
・仕事に熱心に取り組んでいる(没頭)

ワーク・エンゲージメントは高ければ高いほど働きがいのある職場でいきいきと仕事をしている状態にあると考えられます。

そのワーク・エンゲージメントを数値化したスコアもあるのですが、国内の傾向として、厚生労働省の資料では以下の点が言われています。

・男性と比較して女性のスコアがやや高い
・加齢・職位・職責の高まりにともないスコアが高まりやすい
・居住地・勤め先企業の規模による特定の傾向はみられない
・人手不足の企業は人手が適当な企業と比べてスコアが低め

一方で、この概念に関連しますが、「やりがい搾取」には気を付けなければなりません。

「やりがい搾取」とは、「やりがいのある仕事」を強く意識させ、過剰な長時間労働、残業代の支払いを行わず安く働かせるといったことを指します。

言うまでもありませんが、ブラックな現場によくあることです。
封建的な組織構造、人件費の削減、足りない人手など、挙げればきりがありませんが、そういった状態は心理状態もネガティブで不健康なものになりがちです。

また、ワーク・エンゲージメントの対極をなす言葉として、バーンアウトも言われています。
日本語で燃え尽き症候群とも言われますが、それまで意欲的に仕事をしていたのに、突如燃え尽きたように意欲をなくしてしまう状態を指します。

働いている時に、常に自身のことを考えている余裕はありません。
しかし、時折「ふと望んでいる形で働いているか?」を考えてしまう方、「○○がしたいのにやる気になれない」と思ってしまう方は、危険信号が出ているかもしれません。

今日は疲れているな、と思った際には、無理せず少し休んでみることをおすすめします。
もしそれが許されない職場であるのなら、働きたい!と思える職場への転職も考えてください。

安定して働きたい方は、今の職場が心身ともに健康的でポジティブな状態でいられる職場かどうか、少し立ち止まって考えてみてくださいね。

このコラムは2023年11月に配信した記事です