情報収集で気を付けたい「バイアス」

何かを新しく始める際には判断に迷うことも多く、色々と情報収集をすることと思います。

転職活動もその一つかと思いますが、そんなときに気を付けたいのが、公正な判断を邪魔する様々な「バイアス(≒先入観・偏見)」です。
今回はそんな情報収集の際に気を付けたい「バイアス」に関してのお話です。

バイアスとは

元々、バイアスという言葉は英語の「bias」からきています。
「bias」は「斜め」や「偏り」を意味する言葉で、現在では電子・機械、服飾、社会学、心理学、統計学などで使われることが多い言葉です。

今回の「バイアス」は「バイアスがかかる」などでよく使われる意味が近しいです。

ちなみに心理学領域などにおける「認知バイアス」、服飾などにおける「バイアステープ」、電子工学における「バイアス」などはその道に居れば誰もが知っている言葉だと言っても過言ではありません。

認知バイアスとその種類

先程申し上げた「認知バイアス」とは、簡潔に言えば、先入観や偏見による思い込みなどにより、物事の選択時などに歪んだ物の考え方をしてしまうことです。

この「認知バイアス」はさらにいくつか細かく分類することができます。

例えば、「確証バイアス」
自分にとって都合のいい情報ばかりを集めたり、逆に都合の悪い情報を無視したり軽視したりする傾向のことを言います。

様々な情報があるにも関わらず、自分の考えを支持する情報ばかりを追ってしまい、反対意見には目を通さないといった行動はこれに当たります。
たくさんの情報を集めたつもりが偏った情報ばかりが集まり、結果として本当に必要な情報・知るべき情報を取りこぼしてしまう可能性もあります。

またその他にも、わたしたちの判断を惑わすバイアスは無数にあります。


・代表性バイアス
その物事がどの程度有り得るのか、自身の代表的な経験・記憶をもとに確率的に判断しようとする傾向のこと。

※代表性ヒューリスティック
その物事において典型的と思われることを確率的に過大評価する意思決定のプロセスのこと。
上記の代表性バイアスとリンクする話なので並べて話されることも少なくありません。

・内集団バイアス
自身が所属する集団またはそれに所属する集団のメンバーを、他の集団に所属するメンバーよりも優れているものと認識し、優遇する傾向のこと。

・現在志向バイアス
目の前の利になる物事を将来的に利になる物事よりも過大に評価し優遇する傾向のこと。

・現状維持バイアス
現在の物事を基準として固執し、未知の経験・物事や起こり得る変化を避けてしまい、結果現状維持を望むこと。


バイアスは総じて「物事を考える際の壁」となり得るため、判断を下す際には注意が必要です。

しかし基本的には統計などによる数字は嘘をつきませんので、そういった情報の取捨選択や判断に強くなるため、数字や知識を得ていくことは有効な手段だと言えます。

最後に

これらのバイアスが恐ろしいのは、それが無意識の内に働き、自分自身がバイアスにかかっていることに気付けないところです。

全てのバイアスを取り除くことは不可能ですが、まずは“自分が様々なバイアスに影響されている可能性”を心に留めておくだけでも、物事の見方や判断が変わるかもしれません。

転職活動においても、知らず知らずの内になんらかのバイアスに囚われている場合があります。

行き詰まりを感じた際には、自分の判断だけに頼らずに、他人に相談してみるのも一つの手です。
弊社エージェントにも、是非お気軽にご相談下さい。