【医師ジョブマガジン】子どものロコモティブシンドローム

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
◇ 医師ジョブマガジン 2023.04.18号 ◇
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

メタボリックシンドロームと並ぶ現代病ともいえる、ロコモティブシンドローム。
とはいえ、整形外科がご専門の先生方にとっては今更のお話かもしれませんね。

念のため説明しますと、ロコモティブシンドローム(通称:ロコモ)とは、日本整形外科学会が提唱した概念で、筋肉の衰えなどによって運動器の機能が低下した状態を指します。

重症化すると脊椎の病気や骨粗鬆症などにより寝たきりになる危険性もあることはよく知られていますよね。

しかしここ15年前後、中高年・高齢者だけでなく、若年者にも同じようにロコモへの注意が必要となっています。

理由としては、生活様態の欧米化や食生活をはじめ、子どもたちがゲームやテレビ中心の家遊びをすることで外で遊ばなくなっていることが挙げられます。
近年、現代の子どもたちは過去の子どもたちに比べて、運動機能が低下していることが度々指摘されています。

実際、手足や腰の運動器が機能できず、片脚立ちやしゃがみ込み、体前屈などができない子どもも増えています。

結果的に、運動不足による筋力やバランス能力の低下が一因で、子どもの転倒・骨折が増えています。
ご存じかもしれませんが、2017年の段階で1970年代に比べ、骨折する子どもの数が2.4倍以上という数値も出ています。

そうした子どものロコモを防ぐべく、2016年から学校保健安全法が改正されました。
運動器疾患の早期発見を目的に学校健診の必須項目に「運動器検診」が追加され、若年者のロコモ予防対策に取り組んでいます。

「ロコモティブシンドローム」は、どの世代にも対応が必要される病気です。
お子さんがいる方はもちろん、「最近運動してない」という先生ご自身にも当てはまる可能性があります。

車、エスカレーターやエレベーターの利用、室内ではセンサー化が普及し、自ら動かなくても事が済んでしまうという超便利社会に生きている私たち。
だからこそ、現代病にも負けないように、健康を意識をして過ごしていく必要がありますよね。

※このコラムは2023年4月に配信した記事です


 

>医師ジョブの求人紹介サービス

医師ジョブの求人紹介サービス

クラシスのコンサルタントが、先生の転職、バイト・非常勤の求人探しを全面サポートいたします。
情報収集から転職相談、条件交渉・面接設定など、全て無料にてご利用いただけます。
理想の求人探しをクラシスにお任せください!