【医師ジョブマガジン】電子処方箋システムと医療のDX化

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
◇ 医師ジョブマガジン 2022.11.11号 ◇
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

今回は、来年2023年1月からの導入が予定されている、電子処方箋についてのお話です。

電子処方箋とは、これまで紙で運用されていた処方箋を、デジタルで行う仕組みです。

具体的には、医師が作成するカルテの処方内容をデータ保存して薬局に送信することで、情報の伝達と管理がされる仕組みです。

厚生労働省が公開している「電子処方箋の運用ガイドライン(第2版)」を要約すると、患者さんやそのご家族、また医療機関に対して、次のようなメリットが提示されています。

◇ ◇ ◇

● 遠隔診療の際、処方箋をスマホなどで受け取ることが可能になり、結果的に医療機関での待ち時間が短縮される。

● 薬局から調剤情報をもらって、患者自らが服薬情報の履歴を管理できる。

● 電子版お薬手帳などとの連携によって、患者や家族が管理する服薬履歴などを、ほかの医療機関などへの提示が簡単になる。

● 生活環境の変化などにより医療機関や薬局を変更した場合でも、継続的な診療が簡単になる。

● 患者が公共機関(自治体など)に情報を預けることで、在宅医療や救急医療、災害時に、患者の服用している薬剤を医療関係者が知ることができる。

◇ ◇ ◇

また処方箋が電子化されることで、紙や印刷にかかわるコスト削減や、処方箋の偽造防止なども期待されているようです。

なお、政府は電子処方箋を2023年1月から運用開始し、2024年度内には概ね全ての医療機関と薬局で導入することを目標としています。

電子処方箋システム導入のため、医療機関や薬局への補助金も予算として確保されています。

補助金は、ICカードリーダーの導入、レセプトコンピューターや電子カルテシステムなどの改修、医療機関職員への実地指導などが対象です。

施設の類型(200床以上の病院、グループで月4万枚以上の処方箋を受け付ける薬局等)ごとに事業額を算定し、それぞれに応じた補助率と補助額上限が設定されています。

さらに、早期導入を促すため、2023年3月31日までに導入した場合には、特例補助の設定もされ、補助率と上限額を上積みが見込まれています。

一方で、電子処方箋システムに登録するのは医療機関であることなどから、医療機関の手間が増えることは間違いありません。
そういうことから、「結局は紙の方が楽」という声も聞かれます。

もちろん諸手を挙げて歓迎という訳にはまいりませんし、現状は確かに電子処方箋の問題点も多く見受けられます。

それでも政府が進めようとしている医療のDX化を考えると、電子処方箋システムは何としても導入させようと政策を進めると考えられます。

電子カルテ以上に本格導入の道のりが厳しいようにも感じますが、電子処方箋システムに関しては今後も医療のDX化と併せて追ってまいりたいと思います。

※このコラムは2022年11月に配信した記事です


 

>医師ジョブの求人紹介サービス

医師ジョブの求人紹介サービス

クラシスのコンサルタントが、先生の転職、バイト・非常勤の求人探しを全面サポートいたします。
情報収集から転職相談、条件交渉・面接設定など、全て無料にてご利用いただけます。
理想の求人探しをクラシスにお任せください!