【医師ジョブマガジン】花粉症と食物アレルギーの関連性

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
◇ 医師ジョブマガジン 2023.10.10号 ◇
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

週末から一気に気温が下がり、焦って衣替えをしました。

そしてこれから私が1年で一番苦手な季節がやってきます。
そうです、花粉です。
最近はブタクサ花粉の時期がきているのか、鼻がムズムズし始めました。

近年、スギ花粉症などのアレルギー性鼻炎疾患の患者数は増加傾向にあり、社会問題としても取り上げられているほど。

全国の耳鼻科とそのご家族を対象とした疫学調査(鼻アレルギーの全国疫学調査)によりますと、
1998年:19.6%
2008年:29.8%
2019年:42.5%
のように10年ごとに10%程度増加しているという結果があります。

そして老若男女問わず有病者が増えていることから、日本の「国民病」といっても過言ではありません。
(とはいえ、先生方には今更のお話しかもしれませんが。)

さらに年齢を重ねるほど有病者が増えていることに加え、近年は発症の低年齢化も指摘されています。
また発症の低年齢化に比例して、子供たちの食べ物アレルギーの発生率も問題視されています。

日本学校保健会が全国の公立小高校を対象に実施した調査によりますと、食物アレルギーがある児童生徒は2024年では52万7千人。前年と比べて12万人も増えたようです。

鶏卵、果物類、甲殻類、木の実類のアレルギーが中心ですが、特に果物類は花粉症発症患者に多く見られていることも特長です。

言うまでもありませんが、これは食物の中に含まれる物質がアレルゲンに近しい構造をしているために起こるものです。

具体的な例を挙げると、北海道に多いカバノキ科の花粉症の患者は林檎などのバラ科の果物や、大豆などのマメ科でアレルギーを発症される方が多いという報告があります。

他にも、イネ科やブタクサなどのキク科の花粉症の患者はメロンなどのウリ科果物。
スギ・ヒノキの花粉症の場合は果物ではないですがトマトでアレルギーを発症される可能性があるという報告も挙がっています。

しかしながら過度に恐れることもありませんので、発症までは普通に生活することが良いのかもしれませんね。

話を戻しますが、もちろん大人も酷い症状が出ている方は多いです。
本格的な花粉症シーズンになると、目のかゆみ、鼻づまりやくしゃみなどにより日常生活への支障はもちろん、仕事効率が低下するという方も実際に多いのではないでしょうか。

花粉症は自然に完治するものではないので、毎年花粉症の時期になると耳鼻咽喉科への通院や処方薬の購入のほか、空気清浄機を常に回すなど、少しでも症状を和らげるようにするほかありません。

とはいえ、国民の中でも多いスギ花粉の本番は冬~春。
今年の花粉の量が少しでも少ないことを祈るばかりです。

※このコラムは2023年10月に配信した記事です


 

>医師ジョブの求人紹介サービス

医師ジョブの求人紹介サービス

クラシスのコンサルタントが、先生の転職、バイト・非常勤の求人探しを全面サポートいたします。
情報収集から転職相談、条件交渉・面接設定など、全て無料にてご利用いただけます。
理想の求人探しをクラシスにお任せください!