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◇ 医師ジョブマガジン 2023.04.25号 ◇
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以前、こちらでも書かせていただきましたが、日本の健康寿命は平均寿命に比べて10年ほど短い傾向にあります。
これは平均寿命ばかりが伸び、健康寿命は平均寿命の伸びに比べてあまり伸びていない現実があります。
そこで注目されるのが、厚生労働省が主体で進める国民健康計画「健康日本21」。
第三次は、2024年~2035年度の12年間で設定されています。
基本的な目標として挙げられていたのは、健康寿命の延伸、健康格差の縮小、個人の行動と健康状態の改善など。
簡潔に言えば、時代・社会背景から多様化するライフスタイル・ステージに対応した「等しく国民が健康となる取り組み」を定めています。
また上記と関連して、第二次の最終報告で、階級・性別により悪化した項目の改善も目指します。
階級や性別と聞くとわかりづらいですが、代表的なものだと若年女性のやせ形体型、先週の子どもロコモ、地域差が激しい健康寿命などが挙げられます。
第二次では、都市部と地方、男性と女性、年齢などにより悪化した項目もあったというのは、こう聞くと納得できますよね。
ちなみに、現時点で固まっている第三次の目標数値は、以下となっています。
【適正体重者の増加】66%(現状60.3%)
【睡眠時間(20~59歳)】6~9時間の達成者6割(現状53.2%)
【野菜摂取量(1日)】平均350g(現状281g)
【果物摂取量(1日)】平均200g(現状99g)
【食塩摂取量(1日)】7g(現状10.1g)
【歩数(1日)】平均7,100歩(現状6,278歩)
【運動習慣者】40%(現状28.7%)
など
また他にも、喫煙・飲酒の減少、糖尿病合併症(糖尿病腎症)の減少、COPDの死亡率減少なども目標として入っています。
ただしこの取り組みに関しては留意すべき点もあり、第二次の最終評価後の指摘でも挙げられた「やりっぱなし」などは最たるものと言えます。
今までは「目標策定がゴール」という状況になっており、国民に目標数値どころか、この計画自体が浸透していなかったことは否めません。
今回は2029年に、一旦全項目で中間評価を行う予定ですので、少しは認知度、目標達成へのPDCAなども改善されることでしょう。
しかし政府が進めるDX化などもあってICTの活用は今後も進むと予測できる一方で、データの管理・活用をどうするのかという課題も残っています。
とはいえ、まだ2024年のスタートに向けて目標策定などがキックオフされたばかりです。
メディアの報道なども未だ小規模ですので、今後ももう少し追ってみようと思います。
先生方も、現在の生活を見つめなおすきっかけにされてみてはいかがでしょうか。
※このコラムは2023年4月に配信した記事です