【医師ジョブマガジン】迫るICT化と現状~HPKIカード~

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◇ 医師ジョブマガジン 2024.04.16号 ◇
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日本国内に居住する医師は、2年に1度、厚生労働省への医師届出票の提出が医師法により「義務」づけられています。

現在従事しているいないに関わらず、「医師免許を所持している人」すべての方が医師届出票の提出対象です。
つまり現在、お仕事をお休みされている方も必ず医師届出票を提出しなければいけません。

医療機関に従事している場合は届出票を出すように医療機関側からの通知があったり、提出書類を病院側がまとめて提出してくれるケースもございます。
しかし開業医の先生の場合は、ご自身で更新作業をする必要がありますし、実際申請自体も若干面倒です。

提出期間は年末の時期なので、忙しさのあまりつい提出を忘れてしまうこともあるので注意が必要です。
(次回の更新は、例年通りであれば2024年末から年明けまでとなります。)

ちなみにHPKIカードをご存じでしょうか?
医師をはじめ、厚生労働省が所管する医療福祉分野の国家資格や、管理医師といった管理者資格を証明することができる電子証明書です。

現状進む電子処方箋の閲覧や発行にも、このHPKIカードは必要不可欠となっています。
医療業界にも迫る「ICT化の波」の一つとも言えますね。

また身分証としても様々な場面で利用でき得ると目され、特にJMATなどの災害時派遣における身分証明としても利用が始まっています。

そもそもこの医師免許証というものは、先生方はよくお分かりかと思いますが、実際のサイズが賞状と同じくB4のため持ち運ぶにはかなり不便です。
しかしこのHPKIカードであれば、運転免許証やクレジットカードと同じサイズのため携帯しやすいというメリットがあります。

券面に顔写真などもあるため、転職時に先方に提出する医師免許証の代わりとしてもお使いいただくことが可能です。

とはいえ、HPKIカードの普及率は、現時点で全医師の2割程度とかなり低いのが現状で、医療機関側も存在を知らないという方も一部いらっしゃるようです。

普及していない理由としては至極単純、発行・利用するメリットを強く感じられないからでしょう。

・カードの発行手数料が医師会会員かどうかにより有料になる点
・有効期間が5年間で、その後も利用する場合に更新が必要な点
・利用必須の場面がまだ多くないため、現時点での発行の必要性を感じない点
など、ざっとコラムや記事、SNSを読んでも懸念点ばかりが目立ちます。

未だにアナログが中心ですが、医療業界のICT化は待ってくれません。
先述の医師届出票も最終的には電子申請も可能となるのかもしれませんが、今はまだ医療機関側の事務担当者の手続きをしてからでないとオンライン申請ができない状況です。

医療業界では全体的にICT化を進めているとはいえ、制度の穴や甘さも目立ちます。
特にデジタル化した機能が「個々のサービス」でしか使えないものも多いため、ただ「デジタル化を進めてICT化したポーズを取っているだけ」という印象も受けてしまいます。

しかし早々に進めないと人手不足が深刻化することも事実ですので、本来のICT化が望まれます。

先生方は近年のICT化をどう感じられますか?

このコラムは2024年4月に月に配信した記事です


 

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