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◇ 医師ジョブマガジン 2024.08.06号 ◇
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以前にも議題としてとりあげました、男性の育児休暇制度。
今まで男性の育児休暇の取得は日本国内であまり進んでおらず、男性の育休など夢のまた夢…と思っていらっしゃる方も少なくないかと思われます。
しかし先月末に発表されたばかりの厚生労働省の最新調査(令和5年度雇用均等基本調査)によりますと、男性の育児休業(育休)の取得率は30.1%と前の年の1.8倍になり、過去最高の取得率を記録したそうです。
ちなみに取得した育休の期間は下記の通りとなります。
5日~2週間未満:22.0%
1ヶ月~3ヶ月未満:28.0%
現在、男性の育児参加が進んでいる背景には、いくつかございます。
・2022年の育児・介護休業法が改正による新制度「産後パパ育休」の周知
・企業の育児休業の取得意向の確認が義務化されたこと
・分割して育児休業が取得できるようになったこと
など
さらに、若年層が就職先を選ぶ際、「育休取得実績がない企業には就職したくない」と応えた人が61%(男性57%/女性が65%)を占めるなど、性別問わず育児休暇制度が重要視されていることが分かります。
現在、政府はこども未来戦略内にて2025年までに男性の育休取得率50%、2030年には85%に引き上げることを目指すと閣議決定しています。
男性の育休取得が進むスウェーデンでは開始後40年かけて7~8割の取得率となったことを考えると、依然として高い目標値であると言わざるを得ません。
さらに、今後男性の育休取得率公表義務を負う企業を、現在の従業員1000名以上の規模から300名以上の規模までハードルを下げるという話もあります。
体制が厳しい中小企業では対応が難しいというところも多いようですが、今後の男性の育休制度に関連するデータなどは引き続き確認していく必要があると言えるでしょう。
また、深刻化する少子化対策の面から、児童手当金支給対象の拡大、出産費用の保険適用化、医療費助成制度などの導入予定ということもあり、さらに男性育休の必要性が高まることが予想されます。
とはいえ、実際には育休制度があったとしても育児休暇をとらない、または取りづらい職場の雰囲気、職場の人手不足など、医療機関を含む日本の企業が抱えている課題はまだまだ山積みです。
一方、「並行してそれらの問題(特に人手不足)にも着手しないと、問題解決には程遠いのではないか」と指摘する声もあります。
少子高齢化の現在において人手不足はむしろ深刻化していると言えます。
しかし、先述のように若い労働者の意識としては育休取得を望んでいる方が過半数以上いることは事実です。
今後、政府と企業がどのように問題解決に取り組んでいくのかが注目されています。
クラシスでは福利厚生面もしっかりと確認しておりますので、育休を含む福利厚生の条件面で気になることがありましたらいつでもお気軽にご連絡ください。
このコラムは2024年8月に配信した記事です