┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
◇ 医師ジョブマガジン 2024.01.23号 ◇
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
医師の働き方改革について、4月から本格実施というのは再三こちらでもお伝えしてきたところです。
しかしこの直前になり、厚生労働省が宿日直許可基準・医師の研鑽に係る労働時間の考え方について、改めて解釈の明確化を図る形となりました。
この件は、1週間ほど前の2024年1月15日付で厚生労働省労働基準局が発出した通知(※1)に関してとなります。
※1:「医師等の宿日直許可基準及び医師の研鑽に係る労働時間に関する考え方についての運用に当たっての留意事項について」の一部改正について
今回の通知は2019年7月に発出された通達の改正です。
特に大きいのが、大学病院勤務医の「研鑽」に関わる事項が明言されたことです。
あえて抜き出しますが、同通知では<2019年7月の通達で「研鑽の具体的内容」として掲げられている行為等を、一般的に本来業務として行っている。>とあります。
2019年7月に発出された通知に労働時間として含むものとして「診療等の本来業務」という言葉があります。
この通知において、大学病院勤務医はその言葉の「等」の中に教育・研究が含まれるとの見解が改めて示されました。
また通知内を直接抜き出すと、具体的には下記が例として挙げられていました。
・ 大学の医学部等学生への講義
・ 試験問題の作成・採点
・ 学生等が行う論文の作成・発表に対する指導
・ 大学の入学試験や国家試験に関する事務
・ これらに不可欠な準備・後処理
など
ただし注意事項として、この通知が解釈の明確化なだけであり、労働基準法の取り扱いを変更するものではないということです。
また研鑽と労働の曖昧さを払拭する手段として、「医師の研鑽の労働時間該当性を明確化するための手続」として医師本人・上司間での円滑なコミュニケーション・十分な確認を行うことも留意事項として挙げられています。
大学病院によっては講義は診療時間ではないので労働ではないなんて声もありましたが、それらを厚労省としては肯定しないことを改めて示した形です。
先生方はこの問題についてどうお考えでしょうか。
批判的な意見をお持ちの方も肯定的な意見をお持ちの方も双方いらっしゃるかと思います。
しかし結局はこれらが正しく守られ、医師の労働環境が改善するかどうかが重要です。
この件に関しては、引き続き注視していきたいと思います。
2024年能登半島地震により被災された方々へ心よりお見舞い申し上げます。
一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。
このコラムは2024年1月に配信した記事です