【医師ジョブマガジン】パワハラは医療現場で起きやすい?

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◇ 医師ジョブマガジン 2022.04.22号 ◇

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パワハラ防止法というものがあることをご存じでしょうか。

2020年6月から施行されたもので、正式には「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」と言います。

これまで適用対象は大企業のみでしたが、今年4月より中小企業にも適用拡大されました。

つまり、これまでは大規模病院のみが対象でしたが、現在は小規模病院やクリニック、個人医院もその対象となります。

パワハラの定義をみていくと、職場において

(1)優越的な関係を背景とした言動

(2)業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの

(3)労働者の就業環境が害されるもの

の要素を全て満たすものとなっております。

客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導は該当しません。

しかし、医療の現場ではパワハラが発生しやすいと言われています。

頭脳労働・肉体労働の双方があるだけでなく、対患者(とその家族)の場合には感情労働の側面もあり、実にストレスフルな環境であることが起因だと言われます。

また、ミスや失敗が許されない環境であることや、狭い人間関係・縦割りといった対人関係でのストレスが大きいこと、多忙なことも要因のようです。

近年では典型的なパワハラ(暴力や理不尽な圧力等)とは異なり、教育・指導・対話が行き過ぎた結果として、裁判でパワハラと認定されるケースも増加しています。

訴える人が増えたこともありますが、態度が「高圧的」・「感情的」・「攻撃的」等で相手の心身の健康状態に影響が出たと判断されて、パワハラに認定されているようです。

知らず知らずのうちに対応がきつくなることもあると思いますが、一度、本当に大丈夫なのか立ち止まって考えてみることも必要かもしれません。

パワハラ被害を受けていると認識した場合には、我慢せず早急に第3者へ報告・相談をしましょう。

ちなみにパワハラは部下から上司、同期同士の場合も有り得るため、部下だから・同期だからきつくあたっても大丈夫ということはありません。

忍耐と我慢をはき違え心身を削って働けなくなってしまった──なんてことのないよう、是非この機会に「パワハラ」に対する意識をアップデートしていただければと思います。

※このコラムは2022年4月に配信した記事です


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