【医師ジョブマガジン】スギ花粉に対する舌下免疫療法の未来

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◇ 医師ジョブマガジン 2024.02.13号 ◇
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3連休明けの本日、気温は都心でも17度、明後日木曜日には20度まで気温が上昇し、東京など多くの地域が春本番のような温かさになるとの予報をニュースで拝見しました。

このような暖冬と聞いて戦々恐々としている花粉症の方、そして耳鼻咽喉科の先生方、この時期で気になるのは花粉情報ですよね。
都内では、まさに今週木曜日に花粉飛散量が増加するという予測がされています。

ちなみにスギとヒノキの花粉量自体は去年の8割程度で、例年並みとなる見込みです。
しかしながら関連診療科の先生方はご実感されているかと思いますが、今年は出だしが早く、重症の方の中には1月初めから症状が出ていたという方もいらっしゃるそうですね。

改めて明記しますと、花粉症は「鼻汁」・「くしゃみ」・「鼻づまり」等を中心に、他にも痒みや充血など主訴は多岐にわたります。
統一して言えることは、どの症状があっても集中力低下や睡眠不足等で日常生活において悪影響が及ぼしていることです。

環境庁の調べによりますと、国内での花粉症の有病率は年々増加し2019年には40%を超えるなど、花粉症はもはや日本の「国民病」ともいえます。
年齢層別にみても、スギ花粉症は5歳~が30%、10代~50代でも45%以上と高くなっています。

近年は、根本的な体質改善を目指す治療法として「舌下免疫療法(SLIT)」の実施も多く見受けられます。
最近では耳鼻科だけでなく、様々なアレルギーなどの対応が多い小児科でも舌下免疫療法外来が導入されているクリニックを多く見かけます。

ただし「舌下免疫療法(SLIT)」は1日1回の薬の服用を毎日、治療期間は最低でも3年と言われており、ご存じの通り根気のいる治療です。

2023年11月には日本における患者の「舌下免疫療法(SLIT)」遵守率の研究も報告されており、1年目で75.6%、3年目では53.9%と徐々に低下していきます。
ただしこのデータは先行する欧米と同じか、それ以上(欧米では3年目に35%程度まで低下するデータもあるため)の結果となっていることは留意すべき点と言えます。

また小児の適用年齢が他の先進国と比べて日本は低いため、未来のためにも今後小児領域も含めた「舌下免疫療法(SLIT)」の研究が更に進むことを祈ります。

花粉飛散状況も心配ですが、朝晩は冷え、今週は特に1日の気温差が大きくなります。
服装で上手に調整するなど、体調管理にもご注意ください。

このコラムは2024年2月に配信した記事です


 

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