若干時期遅れではありますが、河津桜がようやく見頃になったそうです。
関東では花粉も本格的に飛散し、街中でもくしゃみをしながら歩かれる方が多くなりました。
そしてこの時期と言えば、常勤先のご転職活動や情報収集、バイト先(非常勤先)探しに動かれている方が多いですよね。
今回は「転職活動のコツ」として、「転職活動の時期」に関わるお話しです。
医師の転職活動のスケジュール
弊社にご登録いただいた先生方の実際の転職~入職に至った日数の平均は、84日です。*1
*1 ) 2022年1月31日現在、クラシスに登録し常勤先へ入職した医師をランダムに50名選んで算出した平均日数
ご登録前から情報収集などを行っている方もいらっしゃると仮定すると、概ね転職~入職までに4ヶ月~6ヶ月はかかっている計算になります。
ということは転職をしようと思った際には、情報収集も含めて6ヶ月間は活動することになるかもしれないと思っておいた方が良いでしょう。
実際、その考えで動かれている方も多く、既に今夏・今秋のご転職を見据えてご相談をいただくことも増えています。
また、ここ数年のコロナ禍の傾向として、前倒しで動かれる方も増えています。
来春のご転職をお考えの方や、とりあえず時期は決めていないけど良いところがあれば……という先生方からもご相談をいただき、転職活動に1年以上かけている先生も珍しくない状況です。
余裕をもって動かれる分には問題ありません。
しかし、例えば、3月になって来月4月の入職をしたいと思って転職活動を始めても、4月入職は大変難しいと言わざるを得ません。
もちろん絶対に出来ませんとまでは申しません。
情報収集などの活動、面接といった医療機関などのスケジュール調整、条件面のご調整などがあることを考えると、やはり余裕がありません。
具体的なスケジュール
と、ここまで綴ってまいりましたが、結局はどのように動けばいいの?と思われた方もいらっしゃることでしょう。
一般的には、医師の転職活動においては以下のスケジュールで動くことが多いようです。
日数 | スケジュール | 備考 |
~1ヶ月 | 人材紹介会社への求人のお問い合わせ・サービス登録 | 登録すると担当者が1名つき、先生のご転職を最後まで支援していきます。 |
人材紹介会社などとのご面談・ヒアリング | 人材紹介会社により異なりますが、オンライン・対面でのご面談やヒアリングを依頼されます。 その際にご希望のご条件などのすり合わせを行っていくことが一般的です。 | |
求人のご案内・ピックアップ・応募 | ご面談などでのご希望から求人をピックアップして複数ご案内したり、お問い合わせのあった求人に対しての返答があります。 ご質問などがあればこの際に返信しておき、求人の内容などを見比べて面接やご見学を担当者が調整します。 | |
1~3ヶ月 | 見学・ご面接 | 医療機関への見学と面接を行います。同じ日に行われることもありますが、別日に行われることもあります。 担当者も同行することが多く、ご不安なことがある方は事前に担当者にご相談いただければ面接の対策なども行います。 |
内定・ご条件の調整 | 内定をいただいた医療機関のご条件を調整し、時には複数から選択して内定を受諾します。 この際に書類などが発行されますので必ず目を通し、退職まで保管します。 | |
1~2ヶ月 | 現在の勤務先の引継ぎ | 現在の勤務先で業務の引継ぎやご挨拶などを行います。 |
ご入職 | 入職まで行いますと、ご転職活動は一旦終了となります。 |
退職交渉に関しては、基本的には内定受諾後に行う方が多いようですね。
ただ、民間病院等の場合は内定受諾後でも間に合う場合もありますが、医局の場合はもう少し余裕をもって申し出ることが一般的です。
(医局は12月頃から来年度の概ねの人事が決まり始めますので、原則それまでのお申し出をおすすめしております。)
しかし法律上(民法627条1項)では、雇用期間に期限の定めのない労働契約の場合には2週間前までの退職の申し出を行えば、どんな理由があっても基本的には退職できるとされています。
とはいえ、有期雇用契約の場合は事情が異なってきます(民法628条・労基法附則137条)ので、まずは雇用期間がどうなっているのかを入職時の書類で確認しましょう。
ちなみに医師の場合は引継ぎなどを行う都合上、退職したい日の2~3ヶ月前に申し出た方が医療機関側も有難いという意見もありますので、退職の申し出は原則早めに行うに越したことはないようです。
転職活動のコツ=時期?
転職活動のコツとして、“希望の入職時期から逆算して計画を立てること”が大切と言われます。
しかし、明確なタイムリミットがない場合、どのタイミングでの転職がベストなのか悩んでしまいますよね。
そんな時には、転職市場の繁忙期・閑散期を意識してみるのも一つの手です。
通年採用を行っている医療機関も多いですが、やはり医師の転職市場にも繁忙期と閑散期があります。
大まかに分けると、年度替わりのタイミングである4月入職や下半期のスタートである10月入職辺りが繁忙期、それ以外が閑散期になります。
ということは、その半年~4ヶ月前の登録がピークとなりますので、概ね4月入職の場合は9~12月のご登録、10月入職の場合は4~6月のご登録が繁忙期になります。
一見繁忙期に転職するのが賢い選択に思えますが、実は繁忙期にも閑散期にも、それぞれにメリット・デメリットがあります。
<メリット>
- 求人が豊富で選択肢が多く、希望通りの求人に出会える確率が上がる
- 人事異動等で医療機関内でも人の入れ替わりがあるため、転職者も周囲と馴染みやすい
<デメリット>
- 求人が増える分求職者も多く、好条件の求人は競争率が高くなる
- 採用側も適性重視の傾向が強まり、条件交渉がしにくい
<メリット>
- 急募など求人自体の採用意欲が高く、求職者も減るため競争率が下がる
- タイミング重視の傾向が強まるため、こちらの希望に柔軟に対応してくれる可能性がある
<デメリット>
- 求人が減るため、希望通りの求人に出会える確率が下がる
- 時期によっては転職先の受け入れ態勢が万全でない場合がある
もちろん、上記はあくまでも傾向に過ぎず、当てはまらないケースもございます。
必要以上に気にする必要はありませんが、転職時期に悩んだ際のヒントとしてご活用いただければ幸いです。
最後に
春は新生活を始めるのにちょうど良い季節ではありますが、半年後や来年度に向けて動くにも丁度良い季節です。
逆に、それ以外の季節から始める場合にも、ご登録しておけば、もし繁忙期に先生のご希望の求人が出てきた際にはご連絡いただける場合もあります。
転職スケジュールを大体定めておいてから、それぞれの時期のメリット・デメリットを押さえて上手く転職活動に建ちまわりたいですよね。
もちろん、ご自身で動かれるケースや知人の伝手などを使われるケースでは、上記に挙げたスケジュールからはズレます。
とはいえ、医療機関の求人や医療機関の強みなどは人材紹介会社がしっかりとご案内できるケースもありますので、様々な選択肢を用意しておくことで情報収集も捗ります。
ご転職に関してご相談などがあれば、クラシスの医師ジョブまでご相談いただければ幸いです。