転職支援サービスを行っている会社の求人を見ている際に、この条件だと合わないな……と思ったことはありませんか。
医師ジョブのエージェントが担当するコラム記事として、「求人の条件交渉はどこまで可能か」を実際のエージェントの体験と併せてご紹介します。
求人を探している方や、転職支援サービスを使うのが何だか怖いな……と思っている方にこそ、是非ご一読いただきたいコラムです。
エージェントコラム「条件交渉」
医師ジョブでは求人やサービスにご応募いただいた先生に1名「エージェント」と呼ばれる担当者が付きますが、私もその一人として、日々先生方のより良い転職活動を支援しております。
今回は突然コラムを書いてほしい、と言われて、何を書こうかと1週間以上考え込んでしまいました。
(お恥ずかしい話、こういった文章の作成はあまり得意ではありません。)
周囲を巻き込みつつ色々と考えた末、私の体験とともに「条件交渉」についてお話させていただこうかと思います。
先生方が求人を探している際、「ああ、この条件だと合わないな…」と思ってお見送りした経験があるのではないでしょうか。
この場合の条件というのは「東京駅から30分圏内という条件で探しているのに大阪の心斎橋周辺まで来られませんかと言われてもね…。」という無理のある条件のことではなく、「この求人はほとんど自分の理想の条件なんだけど、当直必須だけ合わないなあ…。」という惜しい条件のことです。
そういった時には、是非一度、「この条件って動かせませんか?」とご相談ください。
条件交渉というのは、先生方からリクエストいただいた条件を先方様と交渉し、先生のための求人として条件をまとめていくもので、弊社のような紹介会社の一番の腕の見せ所になります。
またこれは医師という職種特有かもしれませんが、ある程度お話を聞いてくれる先方様や条件交渉そのものを受け入れてくださる先方様は他の職種よりも多い傾向にあります。
ただ100%交渉が可能という話ではありません。
「就業規則」などを理由にお断りされてしまうケースや求人通りの先生しか求めていないケースも先生方が想像する以上に多くあります。
(そういった話はあまり先生方にはしませんので、過去には条件交渉するのは当たり前と思われている方もいらっしゃいましたが、それはそれで「それまでの紹介会社の担当者」の条件の交渉がお上手だったのかもしれません。)
ちなみにご相談いただく中で「この条件って動かせませんか?」と一番多く言われるのは、やはり給与です。
「週4.5日で1800万円は必要」や「日給10万円を出してもらえるか?」など、条件は様々ですが、給与の条件交渉は他の条件よりも多くご相談いただきます。
平均的な求人条件から大きく逸脱していると難しいケースもありますが、ほとんどは先生方のご希望に添えるよう我々エージェントが条件交渉にトライいたします。
他には、就業時間、業務内容、入職時期、時短勤務、当直の有無、オンコールの有無など、といった条件も交渉いたします。
エージェントはこうした本来お一人で転職活動をしているとなかなか交渉しづらい部分を代わりに交渉する「代理人」でもあり、これは先生方に紹介会社をご利用いただく意味の一つになるかもしれません。
また条件のほとんどは、面接を実施する前に医療機関とクラシスが交渉し、ある程度条件が整った状態で、最終的な顔合わせ的な意味合いで面接にお連れするパターンが一般的です。
しかしながら、近年ではそうでもないパターンも多数存在します。
医療機関の募集では「ホスピタリティ」や「コミュニケーション力」、「接遇」といったワードを聞くことが多くなってきており、先生方のお人柄やお考えについても条件交渉に大きく影響してくることも多くなってきております。
特にこういったパターンは、ご面接後に条件を交渉することで、求人交渉が上手くいくケースが多いです。
- 「年収1800万円以上が出ると確約を貰ってから面接に行く」
- 「確実に日給10万円が出るところ以外は面接に行かない」
こういった先生も多いと思いますが、これは正解でしょうか?
結論を述べますと、これは正解でもあり、好条件を引き出すためには不正解の場合もあります。
事前の交渉で金額を前面に出して交渉してしまうと、医療機関側からネガティブな印象を受けることもあり、その印象が覆せないまま面接…ということもございます。
反して、実際に面接に行って評価をいただいた後に金額の交渉をしたら条件交渉が上手くいった!というケースがあるのも事実です。
私の担当した先生のケースですが、このようなこともございました。
- 面接前のお話で年収1600万円~1750万円ということだったところ、先生のお人柄に好印象をいただいて最終的には1900万円の提示を頂戴できた
- 1日8万円~9万円の募集だったが、トライアル勤務を経て看護師の方からも先生の印象が良かったことから、最終的に10万円の提示を頂戴できた
このようなことからも伺えるように、条件交渉では「タイミング」も大事な要素の一つであり、「お人柄」もまた同じことです。
私どもエージェントも一人きりで条件交渉をする訳ではありませんので、先生のお考えや「何をどこまでしなければならないか」をできるだけご教示ください。
「それでしたら、このように挑むのはどうでしょうか」と、一緒に作戦を立てつつ、案件などをご提案できればと思っております。