それぞれの良さが光るクリニック・病院の訪問診療~現在の訪問診療市場

それぞれの良さが光るクリニック・病院の訪問診療~現在の訪問診療市場

それぞれの良さが光るクリニック・病院の訪問診療~現在の訪問診療市場

現在、今秋~来春に向けて、医師の人員採用活動も活発化しております。

夏は病院自体のお盆休みや、採用担当者の夏季休暇なども挟まる都合上、急いでご面接などの設定が行われるケースも増えてまいりました。

また、春からご支援していた先生方も本腰を入れて動かれる方が増えており、既に来春のご入職が決定された方もいらっしゃいます。

そんな状況の中、特に【訪問診療】の現場ではコロナ禍で採用を控えられていた経緯もあってか、求人数がコロナ禍前に近づいています。

コロナ禍の2年強の間は、弊社では先生方からの訪問診療のご希望も減少傾向にありました。

しかし転職をご希望される先生や訪問診療にチャレンジしたいという先生からのご相談も増加に転じております。

今回はそんな先生方のため、【訪問診療】の現在の市場のお話と、病院・クリニックのご勤務先選びのお話をさせていただきます。

現在の訪問診療市場について

先程も申し上げましたが、求人数がコロナ禍前に近づくなど、市場としても「戻りつつある」という言い方ができます。

では、それぞれ常勤、バイト・非常勤別に詳しく見ていきましょう。

※なお、2022年6月現在の弊社サイトに基づく現状であるため、他のサイトなどでは状況が異なる場合がございます。

常勤

勤務医の増員募集、新規開院、分院や部門の立ち上げといった事業拡大に伴う募集などの求人が多く見受けられます。

何度か感染者が激増した波がありましたが、今春になって本格的に落ち着いたこともあり、コロナ禍で控えられていた新規開院や分院の話が進んでいる印象にあります。

激増した波で新型コロナウイルス感染症患者への訪問診療・往診を行っていた先生からは、「昨夏と比べれば今はかなり業務も落ち着いた」という話もありました。

今夏は再度激増していますが、変異株が猛威を振るっていた昨夏と比較すると、やはり落ち着いているのは確かでしょう。

(もちろん、完全に落ち着いているという話ではなく、あくまで昨夏と今夏の比較の中のお話です。)

市場としても訪問診療の求人は多くありますが、それでも足りているのは一部地域の一部クリニックの話で、ほとんどが人材不足から訪問診療の担い手がいない状況にあります。

勤務医としても管理医師としても、訪問診療求人に応募される先生方は引く手あまたの状況は続いています。

ただ、前年度は秋頃までそもそも求人が少ない状況でしたが、現在は回復し、人気エリアとも言える大都市圏の求人も戻ってきています。

バイト・非常勤

昨年の今頃に比べて、日中の訪問診療が大きく回復しています。

もちろん上記に挙げたように、コロナ禍における感染症の影響の度合いが異なることが一因だと言えそうです。

また他にも、2024年の働き方改革を前に日中・夜間問わず「オンコール待機・往診」や「当直・往診」の求人が多く市場に出ています。

特にオンコール待機・往診求人に関しては、今年の春から継続して市場的にも問い合わせが増えている求人の一つとなっています。

一因としては今春に入職や開業された医療機関の診療体制が定まってオンコール待機・往診求人が出てきたことや、お若い先生方のバイト・非常勤先の問い合わせが増えたことが考えられます。

さらに今秋の体制強化が決まっている医療機関様からは、既に今秋のオンコール待機の求人も多く出ており、自宅待機から当直形態の求人まで種類も幅広い状態です。

一方、様々な事情から今夏~今秋入職といった急募案件もあるためか、地方などを中心に全体的に給与額も上がっている点も現状の特長だと言えます。

在宅診療にチャレンジしたい先生方は、まずはオンコール待機などを通して、在宅医療の現場への参画を再考されてみてはいかがでしょうか。

病院とクリニック、それぞれの良さ

【訪問診療】の現場は、『病院所属の訪問診療部』か『訪問診療クリニック(一部外来も含む)』の2つに分類することができます。

多くの先生方は訪問診療といえば訪問診療を行うクリニックでの勤務を思い浮かべるかと思います。

言うまでもありませんが、クリニック以外にも病院が行う訪問診療もあり、それぞれの良さというものがあります。

こちらでは実際にそれぞれに勤務されたことのある先生からお聞きした、それぞれの良さと求人を前に悩んだポイントをまとめました。

病院の訪問診療

・特長

  • 所属する病院の病床をバックベッドとして確保できることが多く、一貫した診療ができる
  • 概ね病院のかかりつけ患者様のため、入院時や救急などの対応の情報がきちんと引き継がれていることが確認できる
  • ご希望があれば、外来や病棟管理等とも兼務が可能な場合が多い
  • 専門的な診療知識を要する場合に、院内に所属する他科専門医との相談がしやすいケースも多い
  • 地域連携室などが院内にあり、地域医療支援体制が充実している
  • 夜間帯は病院当直医が対応するケースもあり、夜間対応がないこともある
  • クリニックと比べて看護師などのコメディカルの体制が整っていることが多い

・お悩みポイント

  • 給与条件が年次などで定まっているため、クリニックに比べて給与提示が低いケースが多い
  • デジタル技術が整っていないこともあり、クリニックの訪問診療に慣れていると勝手が異なって困惑することもある
  • 訪問診療部門に所属する医師数が少ないため、お休みや退職のお話をしづらい
クリニックの訪問診療

・特長

  • 給与条件が比較的高めに提示されるケースが多い
  • プライマリ・ケアや総合診療をしっかりと学ぶことができる
  • 地域の訪問看護やケアマネとの連携で集患が可能なことが多い
  • 将来開業を考えている方には法人が教えてくれるケースもあるので、勉強になることも多い
  • ICTの活用などを積極的に行っているケースが多く、PCやタブレット端末で作業が完結できることが多い
  • 非常勤医やバックアップ体制がしっかりしており、お休みなどの調整も行ってくれやすい
  • スタッフも含めて対話などがしっかりとされていることが多く、職場環境が良いところも多い

・お悩みポイント

  • 常勤(特に管理医師)の場合にオンコール対応必須の割合が高く、時間外対応に追われることも多い
  • 他科領域の専門的な知識が必要な場面で、非常勤医師だったり人員がいなかったりするため、確認が取りづらい
  • 看護師の帯同がなく、ある程度の手技を医師がやらなければならないケースがある

もちろん、各医療機関で診療体制等に差異がありそれぞれ一概には言えない部分もございますので、この点だけはご承知置きください。

とはいえ、以前もこちらで触れたように、訪問先が居宅がメインか施設がメインかでも業務内容や体制などは大きく異なります。

【医師】「在宅医療」の求人選びにおけるチェックポイント

その点に関してはそれぞれ求人に記載されていることも多いので、求人を見比べたり担当者に確認したりしながら、探してみることもおすすめします。

気になった求人や、実際に面接に行ったけど入職が不安という方は、入職前のトライアル勤務が可能なケースもありますので、是非ご相談ください。

最後に

医師ジョブでは、掲載・非掲載問わず、多くの訪問診療の求人案件を頂戴しております。

訪問診療は外来診療に比べて、働き方や条件等も幅広く、様々な選択肢がある求人である点が魅力的です。

既に在宅のご経験があって求める求人条件が定まっている方も、これから挑戦しようと考えていらっしゃる方も、まずはご相談いただければ幸いです。


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