【医師転職】「職務経歴書」の書き方・ポイント

【医師転職】「職務経歴書」の書き方・ポイント

【医師転職】「職務経歴書」の書き方・ポイント

面接などにおいて先生方にお願いするお持ち物の中で、ご質問をいただくことが多いものが「職務経歴書」です。

転職時に「履歴書」が必須となるのは言わずもがな。
しかし、「職務経歴書」に関しては耳馴染みがない方も多いかもしれません。

今回は、今更聞きたくても聞けない「職務経歴書」の書き方に関して解説していきます。

「履歴書」と「職務経歴書」の違い

求人をご案内した際、「履歴書」だけでは駄目でしょうか?というお話もいただきます。

確かに英語圏(特に英米などの欧米諸国)では、「履歴書」と「職務経歴書」を同一書類として提出する傾向にあります。
そのため「CV(curriculum vitae)」や「Resume」と呼ばれており、その人がどういった経歴・人生を送ってきたかを確認する書類として認識されています。

しかしここ日本においては、この2つの書類は全く異なるものとして認識されています。
それが大きく表れているのが、「履歴書」と「職務経歴書」に記載する内容でしょう。

名称内容
履歴書応募者自身の状況・略歴を記載している書類
職務経歴書これまでの業務経験、応募する職場で活かせるスキル・資格を記載する書類

細かく言うと異なりますが、職務経歴書は「何ができるのか」の指標となる書類です。

「職務経歴書」のポイント

「職務経歴書」のポイントとしては、まず作成前に自分自身の今までの経歴を見直すことです。

作成にあたってPRポイントが多い方であれば長くなりがちですが、枚数はA4の紙1~2枚が理想です。

また作成においてはPCを利用しましょう。
PCスキルがあることが半ば当たり前となりつつある現代において、最低限PC操作は可能であるという一つの指標にもなりえます。

またテキストだけでは単調になりがちです。
もちろん、派手なデザイン・図形の利用は必要ありませんが、文字の大きさや強弱の変更、表組などを利用し、「見やすさ」に気を配って作成します。

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「職務経歴書」はどう書く?

とはいえ、いざ書こうと思ってPCの前に座っても、どうしたらいいのかわからない…という方もいらっしゃることかと思います。

既に整ったテンプレートを使われるのも手ですが、概ね会社員向けに作成されたものであるため、医師の場合だとそぐわない項目があることも。

もちろん、先輩の方や知人の方から以前転職などで利用したものやテンプレートを譲っていただいた方は、手間が省けるメリットがありますのでそれを利用いただくことも手です。

1から作成する場合は、オリジナリティが出ることや自分のアピールしたい項目を厚くするなどの変化を加えやすいというメリットがあります。

この件に関しては、伝手の有無などもありますが、好きな方を選ばれると良いかと思います。

「職務経歴書」に必要な項目

さて、1から作成しようと思った方は、まずは下記の項目ごとに入力していくことをオススメします。

書式・デザインに関しては後で整えていきますので、今はそのままで問題ありません。
また、後述の書式によってアピールの部分が変わりますので、作り始める際は項目ごとにベタ打ちしていくことをオススメします。

【1】標題

何の文書か明記するために、「職務経歴書」という標題を最上部中央に記載します。
説明の文章と差別化を図るためにも、文字のポイント数を大きくしたり、太字にしたり、見やすさを意識しましょう。

【2】日付

記載時には日付も記載が必要です。

年号は西暦でも和暦でも構いませんが、履歴書と書き方を統一させる必要があります。
履歴書は西暦で記載して職務経歴書は和暦で記載するといったことは避けましょう。

ちなみに履歴書・職務経歴書の日付は、原則として持参日(郵送・送付する日)当日となります。
もちろん素直に記入した日付を記載しても怒られるといったことはありませんが、通常は書類の持参日(郵送・送付する日)で記載することが一般的です。

【3】氏名

当然ながら、職務経歴書にもご氏名の記載は必要です。
日付の下に記載しておくと、書類としてまとまりが出るのでオススメです

ただし履歴書と一体型の職務経歴書をご利用の方は、氏名の記載を省いていただいても問題ございません。

【4】職務要約

これまでの職歴、習得したスキルを200~300字で簡潔にまとめます。
在職中の場合は、現職で行っている業務内容やその実績にも触れましょう。

【5】職務経歴詳細

「勤務した期間(年月)」「勤務先の医療機関名」「担当科目」「職位」「担当症例・疾患」などを記載します。

担当症例・疾患は、どのくらい担当してきたかわかるように、数字も明記しましょう。
事実に基づく客観的な判断材料になるため、採用担当者もこれまでのキャリアがイメージしやすくなります。

ただし文字数が多くなってしまう場合などはあえてすべてを記載せず、面接時に口頭で補足するようにしましょう。

【6】保有資格

保有資格は、取得年月順に箇条書きで記載します。

医師免許・医籍番号はもちろん、認定医・専門医・指導医・指定医といった所有する資格等もあれば記入します。

履歴書にも資格欄を設けているケースがあり、そちらで既に記載済みと言う場合には、履歴書で書ききれなかった免許・資格などを職務経歴書で補足するようにします。

また、応募先によっては専門医以上をお持ちの先生といった応募条件を提示されている場合もあり、記載時には応募条件の資格をしっかり明記しているかどうかも確認しましょう。

【7】所属学会

資格同様、所属順に箇条書きで記載します。
国内の学会だけでなく、海外の学会などにも所属している場合は、そちらも記載します。

また、所属学会において理事や監事などの役員に任ぜられている場合は、その旨も併せて記載するとアピールポイントになります。

【8】主な研究内容、論文等

ご自身の研究内容や論文などがあれば職務経歴書に記載します。

ただし研究内容、論文発表は文字量が多く、職務経歴書を読みにくくすることも懸念されます。
もし多くて書ききれない場合や予想以上に長くなってしまった場合には、こちらにまとめるのではなく、別紙に記載することも検討しましょう。

【9】自己PR

職務要約・経歴詳細で書ききれなかったこと、担当業務などを通じて活躍したことを300字程度でまとめましょう。
また、医療に対する考え方や姿勢を盛り込むことで、「人柄」・「治療方針」などが伝わりやすくなります。

複数の医療機関を受ける際は、できる限り使い回すことを避け、その医療機関で活躍できそうと思わせるようにPR内容を工夫して記載し、説得力を高めましょう。


【1】標題~【9】自己PRまですべてが揃っているのが理想的ですが、最低限【1】標題~【6】保有資格まであれば問題ございません。

また【4】職務要約に関しては、医療機関毎の【5】職務経歴詳細と合わせて100~150字程度にまとめるのもおすすめです。
医療機関を移るごとに、何をどのくらいやってどんな実績を上げていたのかがわかるため、ステップアップしたご自身のキャリアをアピールするという点でもおすすめです。

「職務経歴書」の書式の違い

先ほど項目ごとに書かれた方は、ここからコピーアンドペーストなどを利用して書式を整えていきます。

書式を整える際には、具体的に職務経歴書で使われる逆編年体形式、編年体形式、キャリア形式といったいずれかの書式にすると良いでしょう。

先述の通り、それぞれの書式はアピールしたいことによって使い分けることができるため、先生方ご自身で作成する場合にはどれがより効果的かを考えて作成することができます。

逆編年体形式

読んで字のごとく、現在の職歴から書き始めて過去の職歴へ遡る形で展開される書式のことを指します。
直近の業務やご経歴をアピールしたい場合、こちらの書式で記載することが良いと言われています。

一般的な会社員などはこちらで書くことが多いため、一般的な職務経歴書の紹介ではこちらで書くことを勧められがちです。
というのも、一般的な会社員においては、直近のスキル・能力を重視した採用傾向を行うことが多いためだと言われています。

しかしながら先生方の場合は、「今まで」のご経歴を重視された採用が行われやすい傾向にあるため、あまり向かない書式と言って良いかもしれません。

もちろん、直近のスキルなどをアピールしたい!と思えば、こちらの書式で書かれても問題はございません。

編年体形式

こちらは先述の書式とは逆に、過去の職歴から書き始めて現在の職歴へといわゆる時系列で展開される書式のことを指します。
経験した順に書いていくため、これまでのキャリアの流れやスキルの習熟の過程などをアピールしやすい形式となります。

先生方の場合は、時系列に沿ってキャリアが積みあがっていくため、こちらの書式で書いていくことをオススメします。

臨床研修の確認や専門医などの資格取得、役職の歴任といったステップアップしたキャリアをわかりやすく提示することができるためです。

先ほども書きましたが、医師の場合は今まで積んできたご経歴すべてを見た上で採用が行われやすい傾向にあります。
特にこだわりがなければ編年体形式(時系列順)に書くと、担当者が見てわかりやすいと思える職務経歴書の作成に繋がります。

キャリア形式

こちらは今まで経験した各業務において、何をどれだけ行ってきたかを業務ごとやプロジェクトごとに書く書式のことを指します。
簡潔に言えば、複数の分野にまたがり、応募先に有用と思しき経験を積んできたことをアピールしやすい書式と言えます。

一般的な会社員であれば、営業職でのキャリアと、企画職でのキャリアをそれ毎に併記することで、企画・営業といった複合的な業務を行う企業へアピールしやすいと言えます。

先生方であれば、例えば今までの診療科からリハビリテーションへ転科された方、周産期・不妊治療・婦人科としてのそれぞれの実績など複数の異なる診療科・領域にて並列してご経験を積んできた方などにオススメです。


さて、ここまで出来れば、後は全体を読みながら、強調したい部分を太字や下線にしたりして、整えていきます。

ただし何でもかんでも強調すれば良いということではありません。
どこを強調したら……と迷った際には、応募先の医療機関に特にアピールしたい実績の数字などを強調しましょう。

最後に事項の抜けや漏れ、誤字・脱字の有無を確認し、問題がなければこれで作成は完了です。

あとは、印刷して持参したり、郵送したり、メールなどでデータとして送信したりして、担当者からのお返事を待ちます。

面接の前に書類選考がある場合は、しばらくすると書類審査の可否の連絡があり、面接に臨むという筋書きとなります。

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最後に

実を言えば、資格の有無やこれまでの経験症例数などを重視される医療機関は多いため、履歴書もそうですがなるべく読みやすくわかりやすく書くことは重要です。

また全ての項目を細かく書く必要はなく、大抵は概要を簡潔に記載すれば問題ありません。

ただし簡潔すぎても書類で落とされてしまうため、程良い文量での記載は必要です。
もし作成したけれど不安な方で紹介会社を利用されている場合には担当者に「これで問題ないかどうか」を一度ご確認されるのもおすすめです。

(たまに利用してしまうようで気後れする……という方もいらっしゃいますが、先生方のより良い転職のお手伝いがわたくしどもの仕事ですので、そこは是非紹介会社をご活用ください。)

とはいえ、職務経歴書の作成は今までのキャリアの棚卸ともなるため、最初に転職された際や久々に転職される際には作成に時間がかかります。

しかし、そこから見える自身の強みなどを再度見つめなおすことで、今までとは違った可能性が見えることもあるかと思います。

ちなみにクラシスでは欧米のように履歴書一体型職務経歴書フォーマットのご用意がございます。
履歴書や職務経歴書を未作成の方で弊社へのご登録がお済みの場合、担当者からもご案内があるかと存じますが、こちらを利用しての作成もオススメいたします。

もちろん、ご転職においては先生方・医療機関の方、双方のご納得が非常に大切です。
転職のご負担などでも結構ですので、何かあれば担当エージェントに気兼ねなくお申し付け下さい。
転職を支援するプロとして、作成をお手伝いさせていただきます。


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