非常勤先をお探しの先生方からよくご相談をいただく昨今。
求人をお探しの方に、クラシスの担当エージェントがいい求人を見つけるためのポイントを解説したいと思います。
今回は時期的にもぴったりな「非常勤の給与」に関してご案内してまいります。
医師の非常勤求人の給与相場は？
一般的な相場としては、時給10,000円／日給80,000円がボリュームゾーンと言われています。
もちろんそれよりも低いケースもございますが、紹介会社が入る民間病院の求人では時給10,000円／日給80,000円が圧倒的に多いと言えます。
それでは、クラシスの医師ジョブではどうでしょうか。
弊社で管理している非常勤求人（掲載・非掲載問わず）のデータでは、以下の通りとなっています。
| 平均時給（全国）※ | 平均日給（全国）※ |
| 時給 9,449円 | 日給 78,486円 |
※終日勤務のご条件でいただいている非常勤求人のみ。小数点以下第一位を切り上げて算出。（クラシス株式会社調べ ※2022年1月31日現在）
ご覧いただければ一目瞭然ですが、弊社でお預かりしている求人も相場と大きなズレなどはないように思えます。
時折、「都内で時給13,000円の内科求人」というご相談をいただきますが、そもそも時給13,000円の求人自体が局地的であり、ごく少数です。
このように相場観を知っていると、探し方も変えられるのではないでしょうか。
こちらは全国で計算していますが、もちろん常勤の求人と同じく都道府県によって給与相場は大きく異なります。
概ね都心部や横浜、名古屋駅や大阪市内・北摂といったいわゆる「人気エリア」では人が集まりやすく求人が出づらい状況にあるため、給与相場は時給10,000円前後で落ち着いています。
逆にそのエリアから少し郊外などに出れば、人が集まりづらい立地環境であるため、給与相場は関東で時給10,000円～11,500円前後が多いようです。
ただし大学医局が強い一部の市区町村などは、クリニックでも医局が入っていたり先生同士の伝手などで人員を補っていたりするため、そもそも求人が出づらい状況にあります。
これは常勤求人と同一と言えますね。
科目によっては人が多く、また求人も多いため、エリアによって給与面にかなりの開きが見られるケースもあります。
特に内科は希望する業務内容によっても変わるため、何の業務ならできるのか、考えておくと良いでしょう。
また診療報酬などの関係から相場が高かったり、非常勤先を探す医師数の少なさから相場が高かったりするケースも見られます。
例えば、整形外科・麻酔科の求人は前者になりますし、小児科や眼科、耳鼻咽喉科は後者になりますね。
ただしこれらの科目はコロナ禍を経てかなり市場が厳しい状況です。
今の内に専門医などの資格取得などを行ったり、伝手を活用したり、ウィズコロナのこれからを見据えて動くこともおすすめいたします。
実際、科目によっては資格を有していれば給与面の優遇があるケースが見られます。
資格取得でプラスになることはあってもマイナスになることはありません。
業務においては外来のみの求人は希望する人の多さから相場が落ち着いており、概ね時給10,000円／日給80,000円の通りです。
特に内科外来などはコロナ禍からなかなか募集が出ませんので、取り合いの様相を呈しています。
透析も概ね同じ状況ですので、しっかりと確認しておくと良いでしょう。
また訪問診療の求人も、一時期は日給100,000円も多く見られましたが、その頃に比べて診療報酬などが下がったこともあり大分相場が落ち着いています。
ただし人気エリアを外れた郊外エリアなどで上記の日給以上の求人も見受けられますので、郊外を狙ってみることも一つの手と言えます。
逆に内視鏡検査は外来よりは相場が若干高いですが、そもそもが希望する人の多さに比べて求人は多くありません。
基本的に求人が出ると取り合いになる傾向が強いため、常にアンテナを張っていた方が良いでしょう。
病棟管理のみという求人は外来よりも相場がさらに落ち着いています。
また患者管理の都合で週2日や週3日という複数日勤務が主流であり、週1日という募集はほとんどないと考えておいた方が良いでしょう。
健診は病棟管理と同じく外来と同じかそれよりも低いくらいで大分落ち着いています。
その代わり、拘束時間が短かったり、祝日がお休みだったり、働きやすい環境になっていることが多いようです。
ただし読影や結果説明・結果作成・総合判定と業務が幅広いため、ある程度の責任感は絶対的に必要です。
美容皮膚科など自由診療の求人は人気があるため、相場は大変落ち着いています。
ただし、そもそも皮膚科や形成外科出身者、美容経験者などの条件が付いていることも多いため、給与を求めて求人を検索するのはおすすめしません。
コロナ禍でより人気になったため、以前に比べてどこも非常勤求人では条件が厳しく、給与面も落ち着いてきています。
求人を探す際のポイント
では、実際に求人を探すにあたり、どこを気を付けるべきでしょうか？
よりよい非常勤求人を探すための給与ポイントは以下の3点です。
- 比較すべきは「平均的な条件」
- 条件をずらして探してみる
- 自分を売り込む
何を言っているのだろう？と感じる部分もあるかもしれませんが、読み終わったあとになるほど……と思えるポイントがいくつかあるはずです。
非常勤求人を探している時、「この求人、今の求人に比べて給与が低いんだよな…」と思うことはありませんか？
しかし、そう考えてその求人を見送った時、実は良い求人を逃している場合があります。
求人を見ている時に、ついついやりがちな落とし穴が「現在の条件を比較すること」です。
もちろん悪いことではありませんが、それだけで求人を見てしまうと、「平均的な条件と同じくらいだが、総合的に見ると大変好条件な案件」を見逃す可能性が大変高いです。
そもそも求人を探す際には、色々と考えながらお探しになりますよね。
- 「割のいいアルバイトをしたい」
- 「1日で日給●万円以上欲しい」
- 「給与はともかく通勤が楽なところがいい」
- 「子どものお迎えがあるから●●時までの勤務が良い」
- 「祝日はカレンダーどおりお休みが良い」
などなど……書ききれないですが、ご事情によってそれぞれのご希望をお持ちかと思います。
ですが求人というのも上記のとおり、給与だけが全てではなく、例えば業務量などによっても大きな差があります。
同じ日給80,000円でも、完全予約制外来で1日10名くらいしか来ない業務量と、外来で通常期1日100名くらい来る業務量では、どうしても異なりますよね。
しかし給与面に関しては、上記の相場と比較することで「総合的に良い求人案件」に出会える確率が上がります。
例えば、「都内／外来／終日勤務／日給8万円」というご条件の場合、単純に都内にて外来に終日勤務すればほとんどの場合でこれをクリアできます。
しかし、「都内／外来／終日勤務／日給10万円」というご希望の場合はどうでしょうか。
そのような求人は多くないため、それを希望する場合は希少な案件が出てくるのを待ち続ける形となります。
そんな時におすすめなのが、「条件をずらして探してみる」ことです。
言い換えれば、ご希望の中でもある程度妥協できる点を決めておくこと、ですね。
日給10万円を妥協したくないのであれば、半日で日給5万円の求人を2か所勤務することもおすすめできます。
例えば午前はA病院で日給5万円の内科外来、午後はBクリニックで日給5万円の内科外来、とすると希望の給与通りです。
ただし時間が終日勤務ではなく、半日＋半日だと移動などのご負担が増えてしまうのが若干ネックです。
病院などでは外来9：00～17：00で日給8万円だったとしても、夜間当直の先生が来るまでのつなぎまで勤務という交渉をすることもできます。
そうすれば、1日10万円の交渉ができる医療機関も出てくるかもしれません。
もちろん、夜間当直の先生が来るまでのつなぎとしての勤務中は当直勤務に近い業務となるため、業務内容を妥協する必要性がどうしても出てきます。
また、単純にエリアを広げていただくことで好条件になることも多くございます。
中には、交通費を上限でご案内するのではなく、新幹線代・有料特急代やタクシー代を支給している非常勤求人もあります。
例えば都内で何回も乗り換えを行うより品川から新幹線で静岡まで行くことで、希望給与を叶えられる可能性がぐっと広がります。
ただし先ほども申しましたが、都内というご希望条件からずれてしまうことは考慮しなければなりません。
私どもも先生に求人をご提案するうえでヒアリングさせていただく際に、ただ「おいくらをご希望ですか」とお伺いすることも多いのは事実です。
そんな時には、「近かったら8万円でもいいですが、10万円くらい貰えるなら少し遠くても検討できます」などと教えていただけますと幸いです。
先生方の妥協できる点とどうしても譲れない点をしっかりとお伝えいただけますと、ご条件が叶うよう様々なご提案をさせていただきます。
なお、どうしてもすべての条件を妥協できない！という場合も、その旨を併せてお伝えください。
そのご条件を望まれる背景は十人十色ですので、気に病む必要はまったくございません。
これは頭の片隅に置いておくことをお勧めしておりますが、求人条件の中でも絶対的に変えられない条件が存在します。
例えば、医療機関の住所（立地）や診療時間・休診日というのは、医療機関の都合があるためすぐには変えられません。
その条件で募集が出ている場合、そこを動かすことはなかなか難しいと言えます。
しかしながら給与面はどうでしょうか。
絶対的に定まっている場合もありますが、例によっては給与交渉という手があります。
ご自分でお探しの場合は自分を売り込む形でご相談いただくと良いかと思います。
なお、紹介会社経由でお探しの場合は、是非紹介会社をご活用くださいませ。
単純に私たちが先生から今までのご経歴・お持ちのスキルをお聞きすることで、給与アップの交渉をさせていただきます。
そしてどちらの場合にも必要なことは「強みやスキルなどをしっかりと確認すること」──言うなれば、自らを売り込むことです。
実際に私どもが支援した先生方の給与交渉例をいくつか挙げてみます。
＜1＞実際の給与交渉例
| ご希望の条件 | 埼玉県（南部）／終日勤務／透析管理／祝日休み／日給80,000円 |
| ご入職した条件 | 埼玉県（南部）／終日勤務／内科外来・透析管理／祝日休み／日給120,000円 |
透析管理のみ＋祝日休みを叶えられる医療機関が少なく、当初なかなか求人のご紹介ができませんでした。
そこで再度しっかりとお話し合いを行ったところ、祝日休みは絶対的に叶えられたいとのことでした。
しかし、「透析管理のみだけでなく、内科外来診療だったらプラスオンしても良い」と妥協いただけたため、そちらの業務も含む求人もあわせてお探しいたしました。
すると先生のご希望エリア内で案件がマッチ。
また、こちらの先生は保険点数の申請などにもお詳しく、実際に医療機関の利益改善などのご実績がある先生だったため、先方様にしっかりと実績例も踏まえてお伝えしてご条件を交渉しました。
最終的に当初の透析管理のみというご希望からずれたものの、ご希望の給与額から日給ベースで40,000円もアップしました。
＜2＞実際の給与交渉例
| ご希望の条件 | 東京都（23区）／産婦人科外来／日給90,000円／交通費別途支給 |
| ご入職した条件 | 神奈川県（横浜・川崎）／産婦人科外来／日給90,000円＋手当／交通費別途支給 |
ご通勤先に現在3路線も乗り継がれている先生で、1路線で通うために東京都23区内で産婦人科外来をお探しでした。
また現在のご通勤先が日給85,000円＋交通費ということで、少しでも良いから給与をアップしたいというご希望もございました。
しかしながらご登録時に既に3月初めということで、大体の医療機関様が来春入職の先生方を決められており、なかなか案件が見つからないご状況に。
そこで路線図を見直したところ、神奈川県側にも伸びていることに気づき、先生に上記のことを素直にお話しした上で「ラッシュとは逆側の神奈川県へのご通勤はいかがでしょうか」とご提案。
先生にもご了承いただけて案件をお探ししたところ、神奈川県の人気エリアでお困りの医療機関様がいらっしゃり、お話がまとまりました。
また、こちらの先生は不妊治療のご経験もあったため、理事長先生とのお話し合いの末、担当件数に応じた手当支給のご提案もいただきました。
エリアのご希望がずれてしまったものの、結果的に通勤ラッシュを避けつつ、手当分お給与もプラスという大変良い形でご入職いただけました。
また持っている資格などをお問い合わせ時にまとめて担当者にお伝えいただいたりすると、お問い合わせ直後から給与交渉などもスムーズに行えるケースがあります。
ご経験やご実績など数字としてお持ちのものや資格という明確なご経歴は出来る限り提示した方が、先方も判断材料の一つとなり得るためです。
さらに2月までくると「4月入職がマストの急募求人」も多く、人員体制の変化などで急遽募集をかけているところも狙い目です。
ご条件なども一部を除き聞いていただける確率が高いため、なんとか4月に入職できる非常勤先を探している！という方はそのような求人を探すこともおすすめです。
最後に
給与については、サイト内で条件を絞ってしまうと、候補求人が少なくなってしまいます。
しかし紹介会社にご相談いただければ、先生方が直接行いづらい給与などのご条件交渉も先方担当者とさせていただいております。
サイトに掲載上の募集は時給10,000円でも、先生のご資格やご経験次第では交渉で時給12,000円にアップしたケースもございます。
給与に関しては時給換算で前後1,000円など希望を広めにとるなどした上で、「この求人ってもう少し給与上がりませんか？」と直接問い合わせしてみてください。
もし難しくても、それはそれで紹介会社から類似案件をご紹介されることも多く、知らなかった掲載求人や該当登録者のみに案内している非掲載求人などの情報もゲットできます。
我々クラシスのエージェントも、先生のご希望を叶えられるようこれからもしっかりと交渉してまいります。
そのためにはお電話でのヒアリングやオンライン面談などをお願いしておりますが、ご協力くださいますと幸いです。
お悩みの際は一度、クラシスの医師ジョブご相談ください。
